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Jリーグ 7年前

城後寿が愛される理由。3度のJ2降格もアビスパ一筋13年…背番号10に流れる青き血

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

ファンからの大きな期待。城後はアビスパを再びJ1へ導くか

城後寿
城後寿はこれからもアビスパ福岡を勝たせるゴールを決め、ファンに愛され続ける【写真:Getty Images】

 ファンからの城後に対する期待は、これまで同様非常に大きい。それと同時に、たとえベンチスタートでも「出場すれば必ず何かやってくれる」と信じている。

「終盤で昇格争いになった時に決定的な仕事を期待していますし、してくれると思います」

「この前の名古屋戦みたいに、途中から出てきてゴールを決めた時は涙が出そうになりました。(期待するのは)やっぱりゴールです。彼がゴールを決めて勝つというのが一番うれしい瞬間です」

「もっと出て欲しいのは本心としてありますけど、出た時にはいつも点をとっていて、とにかく得点の嗅覚はすごいと思います。城後が出たら何かしてくれると思います」

「やっぱり最後まで力を抜かずに走って、常にゴールを求めていくところが、そういう感情の表し方が見ていて感動します。スタメンで出ればもちろんいいですけど、後半からでもゴールに絡む活躍を期待しています」

「城後が点を取るとやっぱり会場全体が盛り上がる。他の選手とは全然違います。どんどん点を取ってほしい」

「試合に出れば必ず何かやってくれる。毎試合楽しみにしています。J1昇格の経験が3回あるので、その経験を生かして勝負どころでチームを引っ張ってもらいたいと思います」

 ここで紹介したのは取材で得たファンの声の一部に過ぎないが、とにかく城後のゴールを誰もが待っている。そう感じさせてくれるのに十分なほど、その存在はアビスパにとって大きなものになっている。

 万人を魅了する華麗さや派手なプレーはなくとも、重要な場面でゴールを奪う勝負強さや、どんな時も最後まで諦めないひたむきな姿勢、チームをまとめるリーダーシップ…あらゆる側面で城後はアビスパの「象徴」として愛されている。

「やっぱりゴールという形が一番わかりやすいとは思いますけど、いつもハードワークするところも僕の武器というか、ストロングポイントだと思うので、そういうプレーをしっかり継続しつつ、チャンスがあればゴールを決めてみなさんを喜ばせるようなプレーができればなと思います」

 昇格争いが本格化する後半戦に向けて、城後の決意は固い。ここまではなかなか出場時間を伸ばせなかったが、大事な時に重要なゴールを決めてきたのはいつも城後だったことを、誰もが知っている。だからこそ1年でのJ1復帰を実現するため、アビスパの“キング”の力が必要な時がやってくるのは間違いない。そう確信している。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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