2つのシステムを試したボス監督。香川はどう見たか
ペーター・ボス新監督を迎えたボルシア・ドルトムントは、15日に行われた浦和レッズとのフレンドリーマッチで今季初勝利を挙げた。
プレシーズンに入って2試合目、チーム始動から約1週間かつ長距離移動直後で万全な状態ではなかったとはいえ、内容に満足はできないだろう。新監督の方針が見えてくる一方で、選手たちが迷いをのぞかせる場面もあった。
前半は中盤にアンカーを置く4-1-2-3の布陣でスタート。これはボス監督がアヤックスで採用していた形と同じで、今季のベースになっていくものと思われる。後半は最終ラインを3バックにして、3-4-2-1をテストした。
日本代表戦で負った左肩脱臼の影響でこの日の浦和戦を欠場していた香川真司は、「自分に当てはめながら見ていました」という。
ボス監督のプランは定かではないが、仮に浦和戦で採用した布陣の中に香川を組み込むとすれば、4-1-2-3の「2」にあたるインサイドハーフか、3-4-2-1の「2」にあたる攻撃的なポジションになるだろう。
ただ浦和戦を見ている限り、これらの2つの布陣において香川の強みが生きる場面は少ないように思われた。ボス監督は「香川の長所を生かしていきたいと思っている。オフェンシブのいい選手なので、それをチームに取り込んでいきたい」と述べていたが、現状は日本人MFよりも攻守にハードワークできる選手が好まれている印象だった。
4-1-2-3の場合、チームの柱は「1」が担うアンカーということになる。ボス監督が率いた昨季のアヤックスでは、ラッセ・シェーネが担っていたポジションだ。元々は前線のウィングだったデンマーク代表MFは、年齢を重ねるごとにプレーの幅を広げ、今では中盤よりも前ならどこでもこなすスーパーユーティリティとして評価を確立している。
そのシェーネは、ボス監督によってアンカーを任されて覚醒した。昨季のオランダリーグにおいて、決定的なチャンスにつながるキーパス数は1試合あたり平均2.6本で全体の4位。守備においては1試合あたりの平均インターセプト数で3.1回を記録し、並み居るDFたちを抑えて全体1位となった。