アマチュア時代から貫いてきたチャレンジ魂
阿部を光り輝かせているのは何なのか。ひとつはアマチュア時代から貫いてきたチャレンジ魂がある。関西学院大学ではエースストライカーとして、4年時に関西学生サッカーリーグ1部で得点王とMVPを獲得した。
4つのJクラブの練習に参加し、ヴィッセル神戸からはオファーも受けたが、選んだのは最もスタイルが合わないと感じていたガンバだった。理由は単純明快。「自分のプレーの幅を広げたい」と思ったからだ。
青写真通りに、2013シーズンに就任した長谷川健太監督のもとで、右サイドハーフのレギュラーをゲット。170センチ、69キロの体に搭載された無尽蔵のスタミナで、攻守両面にわたってピッチで暴れまわった。
積極的に攻撃へ絡み、背後の右サイドバックのカバーにも回る。要求した泥臭さを完璧に体現する姿に、長谷川監督も「チームにとって外せない選手。日本代表に入る力もある」と賛辞を惜しまなかった。
新たな可能性を自分の力で切り開いていく一方で、2015シーズンは4、2016シーズンには3とゴール数が減少していく。一抹の物足りなさを覚える自分に気がついたとき、魅力的に映ったのがフロンターレだった。
「いままでが(ゴールを)取らなさすぎと言ったらおかしいですけど、出ている試合に比べればやっぱり少なかったので。僕自身、ガンバのときはチャンスで決め切れなかった部分もある。ゴールシーンにより絡みたい、という思いで来たので、その意味では何て言うんやろうな、まあ順調ですよね」
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