ミハイロ・ペトロヴィッチ監督【写真:Getty Images for DAZN】
J1前半戦17試合を終え、8位に沈んでいる浦和レッズ。5月以降の8試合でわずか2勝と苦しみ、5日に行われた第13節の延期分、川崎フロンターレ戦は1-4で敗れた。
すると試合後、多くの浦和サポーターがミハイロ・ペトロヴィッチ監督に説明を求めてスタジアム前に詰めかけた。そして取材対応を終えたペトロヴィッチ監督はそれに応じ、サポーターと意見を交換した。
一度はすべての対応を終え、選手が待つバスに乗り込んだペトロヴィッチ監督だったが、収まらない浦和サポーターはバスの出口に集結。重ねて説明を要求した。結果的にペトロヴィッチ監督が要求に応じ、再度バスを降りて、進路を塞ぐサポーターの代表者たちと会談。10分以上にわたって互いの思いをぶつけ合った。
そこでペトロヴィッチ監督は「もちろん我々チームが良い結果を残せなくて、みんなが悔しい思いをしている、それは私も残念な思い」と、サポーターの感情に理解を示した。
そして「ここ数試合、安い失点が続いている。それは浦和では絶対にあってはいけない。私は正直だから認める」と、結果が出ていない事実も認めている。一方で「こういう状況になる前、我々浦和は良いゲームをしていたと思うし、勝っていた。それは全く同じチーム。ということは我々には状況を変えていけるだけのクオリティがある」と巻き返しに自信を見せている。
ペトロヴィッチ監督は途中で「次の試合、新潟に勝って、そこから我々連勝がスタートできなければ、私はまず最初に出ていく。私もひとりの人間であり、私ももちろんミスをする」と、自身の進退に言及する場面もあった。
サポーターと監督の対話が終わった後、浦和の山道守彦強化本部長が囲み取材に応じ、川崎Fに敗れた現時点で解任の意思はないと断言している。将来については言葉を濁したものの、指揮官への感謝と信頼を改めて強調していた。
ペトロヴィッチ監督は「信じて欲しいのは、私のチームはベストを尽くすということ。みんなに喜んでもらうために戦う。もちろんみんなが我慢して、我慢して応援してくれていることも、もちろんわかる。その我慢が限界にきていることもわかる。ただ我々を信じて欲しい。新潟戦から、我々は勝って、そこから連勝していくから。こういうきつい時こそ応援して欲しい。みんながいなかったら浦和じゃない」と、サポーターに団結を訴えた。
今後数試合、これまで以上に一丸となった浦和がどんな戦いを見せ、どんな結果を残していくか。そしてペトロビッチ監督の進退にも注目が集まりそうだ。
(取材・文:舩木渉)