「質と効率性」重視への転換。クラブ事務局のムードも明るく
地方クラブがこういった職場環境の改善を優先させる例は少ない。だが、高田明社長は社長就任時に「人が足りないのなら、そこに投資も行なう。その上で、みんなで知恵を出し合って効率性を高めたい」と語っており、これまでのクラブで見られた、多くの業務を少人数のスタッフでこなす「仕事量」重視の運営スタイルから、業務の「質や効率性」重視への転換が進んでいくはずだ。
そういった方向性の一端はクラブ事務局の様子からもうかがい知ることができる。以前、大量の備品や資料の山に埋もれていた事務局は、断捨離を敢行した結果、見違えるように広くなり事務局内のムードも明るいものへと変化した。
同時に、出入り口をはじめ数ヶ所にセキュリティロックが導入され、情報管理や保安面へも配慮するなどプロクラブ事務局としての質は確実に高まっている。今後もジャパネットグループのノウハウやスタイルを導入しながら、こういった質や効率性の向上は図られていくはずだ。
こういった質の変化はスタジアムも例外ではない。高田社長はスタジアムを「サッカーを見るだけじゃなく、試合前、試合やハーフタイム、試合後も楽しむ。5時間過ごしても楽しいなというスタジアムにしたい」と語っているが、その一端は6月11日に「ジャパネットDAY」と銘打って行なわれたホームゲームでも垣間見られた。
ジャパネットDAYでは、通販大手として家電などを多く手がける会社の特徴を生かして、アウトレットセールや、テレビショッピング同様に塚本慎太郎MCが商品説明を行うオークションを開催。これまでと違うアプローチはサポーターからも好意的に受け入れられ、試合後はすぐに帰る人が多い長崎では珍しく、ジャパネットのブースには多くのサポーターが留まり、帰り道に次の開催を期待する声も少なくなかったという。