競争意識がより鮮明に。煽られたチームの意識
新体制になってからのリーグ戦4試合で、中村とレアンドロはすべてに先発している。一方で昨シーズンに8ゴールをあげたFW鈴木優磨は、レイソル戦を含めて3試合連続でピッチに立っていない。
石井前監督のもとでも、もちろん競争はあった。新体制下でより鮮明に促されたことで、チーム内の意識が煽られた。それは昌子と植田直通のコンビでほぼ不動だった、センターバックにも当てはまる。
レイソル戦では植田がコンディション不良で、ベンチからも外れた。外国人枠の関係でブエノは起用できない。代役に指名され、及第点のプレーを演じたのはボランチが主戦場の21歳、三竿健斗だった。
「本職ではない(三竿)健斗がセンターバックでいいプレーをすると、僕自身もそうだし、ましてや今日の試合をテレビで見ているかもしれんナオ(植田)もすごい刺激を受けるので」
昌子が感じる競争意識の高まりは、フォワード陣にも波及している。慢性的な両足首の痛みもあり、途中出場が続いていた金崎が決めたスーパーゴールと、その直後にあげた雄叫びはその象徴と言っていい。
「ああいう姿がスタジアムの雰囲気を変え、チームの勢いを作り出す。あまり褒めるとあれなんですけど、そういった点は彼(金崎)の素晴らしいところだと感じています」
試合の流れを強引に手繰り寄せたエースの一撃を称賛した大岩監督は、一方で自身の存在がチーム内に化学反応を引き起こす触媒になっていると感じている。
「監督が代わったという刺激が選手の間にあるんでしょうけれども、選手がグラウンドのなかで見せるアグレッシブな姿勢というものは、全員に対して高く評価したいといまは感じています」