フットボールチャンネルの次世代サッカー情報番組『F.Chan TV』。第54回に、実況アナウンサーの倉敷保雄氏、解説者の玉乃淳氏がゲストとして登場した。
番組では、6月20日にカンゼンから発売されたアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督の自叙伝『信念〜己に勝ち続けるという挑戦〜』の発売を記念し、前週に引き続いて同監督を特集。今回は、熱き“闘将”が贈る珠玉の言葉を紹介した。
「ただ、とても困難であるだけなのに、なぜ不可能と言い切れるのか私には分からない。困難の中にも可能性があることを認めるべきなのだ」
これは、低迷するラシン・クルブから2度目の監督就任オファーを受けた際に、思いとどまることを勧めた周囲の人々に向けて放った言葉である。
シメオネは自身について「ぬるま湯に浸っていれば悶々としてしまう人間だ」と『信念』で語っている。たとえ失敗を犯し監督の威信に関わる可能性があったとしても、ラシンを窮地から救うことができることをシメオネは確信していた。問題が難しければ難しいほど奮い立つのがシメオネなのだ。
このようなシメオネの性分について、玉乃氏は「教祖とか、神の領域に入りそうなくらい(笑)、彼は『信じる力』というのが凄まじい」と感嘆。
「今までのアトレティコの歴史を振り返ると、チャンピオンズ(リーグ)決勝に出て、レアルを倒すという発想すら、僕らにはなかったわけですよ。でも、彼は本気で、アトレティコが弱い時から、絶対そうなるということを信じてやまなかった。そういうところは、嘘でもいいから、そういう気持ちというのは持ちたいなと考えさせられました」
危機的な状況を学び場とし、ぬるま湯に浸かることを嫌う。わずかであっても可能性を信じ、確信へと変えてしまうシメオネの“信念”。そんな信念を持ってすれば、サッカーだけでなく人生も、高いインテンシティーで“プレー”できるのかもしれない。
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