補強が急務となっているサイドバック
もともとシティの2列目にはケビン・デブルイネ、レロイ・サネ、ラヒーム・スターリングという有能なアタッカーが揃うが、ベルナルドと同姓のダビドが同列、もしくはインサイドハーフに入っていない場合は攻撃が大幅にトーンダウンする場面も見られた。
グアルディオラ監督は、ファイナルサードでオフェンスのスイッチを押し切れないチームにフラストレーションを溜めたこともあったが、ポルトガル代表の加入は新たなダイメンションをもたらすことが期待される。
一方のエデルソンの獲得には、昨季に多くの人が懐疑的な目を向けて、最終的に失笑を買うことになる「ジョー・ハート放出→クラウディオ・ブラーボ獲得→失敗」という、監督、さらにクラブ自体の汚名返上が懸かっている。
GKに必要な体躯を持ち、フィジカルも強い。瞬時のスピードもあるだけに、エデルソンの前に入るディフェンスラインには小柄なブラーボにはない安心感が生まれるはずだ。ペップ好みのGKに欠かせない足もとの技術、さらに時に局面を打開するために必要なロングキックもある。
昨今のトランスファー・マーケットは、プレミアを中心に史上空前のインフレーションが進んでいるとはいえ、この両者には4300万ポンドと3500万ポンドの巨額資金が投下された。どちらも7月1日から正式にシティの一員となり、チームの中心になることが期待されている。
ほかのポジションに目を向けると、パブロ・サバレタ、バカリ・サーニャ、そしてガエル・クリシが抜けたサイドバックの補強はマストだ。レギュラークラスで唯一残ったのは契約を1年残しているアレックス・コラロフのみ。このコラロフさえも放出の可能性が残されている。
ファンが期待するのは将来が嘱望されるパブロ・マッフェオ(右)とアンジェリーノ(左)というユース出身の2人の登用。
しかしながら右SBには、まずバックアッパーとして、ユベントスとの契約を打ち切ったダニ・アウベスがバルサ時代の恩師のもとへやって来ることが予想され、そしてレギュラーには、トットナムからイングランド代表でスタメンを張るカイル・ウォーカーを5000万ポンド近い移籍金で強奪するというのが、シティの描く青写真だ。