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ザルツブルクとライプツィヒ、CL出場めぐる“RB問題”の顛末。“兄弟クラブ”に向けられた懸念

text by 本田千尋

オーストリア紙が着目したUEFAの規約

『SN』が紹介するUEFAの規約とは、UCL大会規約の第5条(大会の完全性)の規定のことのようだ。大会規約の中を覗いてみると、5.01のCに、次のように記されている。

「UEFAのクラブコンペティションに参加する2つ以上のクラブにコントロールや影響をもたらす個人や法人があってはならない。このようなコントロールや影響とは次のコンテクストで定義される」

 つまりこの文言を『SN』は「同一の出資者または同一の個人により運営される2つのクラブがヨーロッパで同時にプレーすることはできない」と解釈したようだ。

 そして規定は「コントロールや影響」を、株主の決議権や経営陣の任命権に関わることや、クラブの意思決定に決定的な影響を行使できることなど、4つのコンテクストに分けて定義している。

 これらの文言に照らし合わせてみると、ザルツブルクにおけるレッドブルは、UCL大会規約の第5条、5.01のCに引っかかることはないだろう。あくまでスポンサーであれば、経営に関与することはない。つまりこの時点で、RBライプツィヒとRBザルツブルクは、レッドブルという「同一の出資者により運営される2つのクラブ」と見なされないことになる。

 東ドイツの新参者に差し迫る危機を報じた『SN』も、こうした結論に至っていたのかどうかは定かではないが、「ザルツブルクの関係者は課題は片付けられたと納得している」とも記している。加えてクリストフ・フロイント氏のコメントも掲載した。

「ライプツィヒもザルツブルクも次のシーズンには1つの国際大会に参加することが可能だと仮定している」

 RBザルツブルクのSDも、“兄と弟”の来季CL同時出場について問題はないという認識だ。

 それでも『SN』によれば、UEFAが両クラブを相互に独立したものとしてみなすのかどうか、疑問は残るのだという。16年8月にRBザルツブルクからRBライプツィヒに完全移籍したベルナルドの名を挙げながら、両クラブが移籍金の額について交渉したことを問題視しているようだ。

 また、このブラジル人SBの移籍では6ミリオン・ユーロの移籍金が支払われたが、こうしたお金の流れを根拠に、UEFAが両クラブをレッドブルの影響下にあるという結論に至る可能性があると指摘した。

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