バーンズから最後のメッセージ。感謝と決意の言葉
バーンズは今月末をもってFC東京を離れる。ヨーロッパやオーストラリアで充実の時間を過ごした後、日本での2年間は我々の想像が及ばない苦しさだったに違いない。それでも新たな挑戦に踏み出すにあたって、29歳のFWは決して下を向かない。
「いまは日本でいくつかのオプションを持っている。自分としてもできれば日本に残りたい。ヨーロッパへ行くことも選択肢になるね。もし全てがダメになったら、オーストラリアに戻らなければいけないかもしれない。日本に残れることを願っているよ。来年はW杯があるから、オーストラリア代表としてそれに出場するためにも試合に出る必要があるんだ。できるだけいいクラブ、大きなクラブでプレーしたい」
通訳として1年半にわたってバーンズを支えた伴も、笑顔でパートナーを送り出そうと前を向く。
「もちろん僕は(契約満了の)リリースが出る前から、彼がチームを離れることを知っていました。そのことを考えないように、できれば現実から目をそらしながら…と考えていたんですけど、リリースが出た直後に彼との1年半を振り返って、思わず涙が流れてきました。今は最後まで楽しみながら笑顔で別れることを考えています。本当に彼と出会えてよかった。できればまた同じチームで仕事をしたいと思いますし、彼のキャリアを誰よりも応援しています」
「自分の実力を試す」ために日本へやってきたバーンズにとって、FC東京での挑戦は失敗に終わったように思えるが、本人は成長のための糧であり、一時の試練としか捉えていないだろう。これまでの2年間で経験したものを、次の挑戦に生かすべく力を蓄えている。
最後に、バーンズから感謝の言葉と、ファンへのメッセージをもらった。いつでも、どこでも、どんな状況でも、笑顔を絶やさず真の紳士だった彼のさらなる活躍と、飛躍を願ってやまない。
「本当に多くのファン・サポーターがFC東京、そして僕のことを常に支えてくれて、そのことに感謝したい。ファンこそがクラブを築いていくと思う。特にFC東京サポーターの誠実さは素晴らしかった。僕のキャリアは続いていくので、これからもFC東京とネイサン・バーンズを応援してくれれば嬉しい。本当にありがとう!」
(取材・文:舩木渉)
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