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Jリーグ 7年前

日本とスペイン、インテンシティーの相違が生まれる理由。育成年代における戦術の叩き込み

text by 小澤一郎 photo by Editorial Staff, Getty Images

重要になる負荷のコントロール。疲労回復の設定

松本山雅FCの反町康治監督。高いインテンシティーのトレーニングを課しているという
松本山雅FCの反町康治監督。高いインテンシティーのトレーニングを課しているという【写真:Getty Images】

 実際、反町監督の松本山雅FCは高いインテンシティーでトレーニングすることが当たり前となっているため、練習参加に来る選手は往々にして松本のハードな練習に付いていくことができず、中には練習中に嘔吐してしまう者まで出るという。

 ただし、反町監督のように高いインテンシティーを日常から求める指導者ほど、負荷のコントロールと疲労回復のための休みをしっかり設定することが求められる。昨季の松本山雅FCでは予算の都合上、GPSで負荷を管理したり、採血をして乳酸値をチェックすることはできず、反町監督やフィジカルコーチの経験に基づいた部分で負荷のコントロールを行っていたという。

 育成年代でもハリルホジッチ監督が発した「デュエル」というキーワードによってインテンシティーの高さや球際の厳しさを要求する指導者が着実に増えつつある。

 しかし、試合から逆算した負荷のコントロールや疲労回復のための休みの設定をきちんと行っている指導者はまだ少なく、逆に「やり込む」ことを善として選手を過度に追い込む指導者が育成年代において微増した印象も受けている。

 少し脱線するが、そもそも日本の育成年代の年間カレンダーにおいて「オフシーズン」がないことは異常だ。

 筆者はこれまで欧州の育成年代の大会に参加する日本のチームを数多く見てきたが、常に1、2学年下の年代に見えるほど総体的に日本人選手は華奢で、フィジカル的な「ひ弱さ」をゲームで見せることが多い。

 日本人の骨格や欧米人と比較した時に体の成長曲線が遅い部分は確かにあるのかもしれないが、根本には「オフなくサッカーをやり込みすぎて肉体的な成長を阻害している」点があることも言及しておきたい。

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