J3も含めたJリーグ全体の将来像をどう描くか
将来のJリーグ入りを目指す「Jリーグ百年構想クラブ」として承認されているクラブは、元日本代表監督の岡田武史氏が代表者を務めるFC今治など、JFL以下で6つを数えている。
他にも参入を希望する動きがあるなかで、2014シーズンに12チームで創設されたJ3を、無制限に拡大していくわけにもいかない。村井チェアマンが続ける。
「全国規模のリーグを維持していくことを選択した場合には、年間における試合数との関係から、チーム数の上限をどうするかという問題が出てくる。ひとつの目安として20チームを上限として、そのタイミングでJFLへの降格も検討することを視野に入れていく、というプロセスで議論をしています。
つまりJ1が18、J2が22、J3が仮に20になる状況を見たときに、今度は各カテゴリー間における昇降格の機会均等のバランスや公平性があるのかどうか、という議論になります。そこにこれまでの競技成績上のデータを参考にしながら、さまざまな要素を加味して判断した次第です」
JリーグはJ2の21位とJ3の2位による入れ替え戦を、今シーズンから廃止している。J2ライセンスを保持するJ3のクラブ数が少ないためだが、あくまでも時限的な措置だと前出の黒田本部長も言う。
「今シーズンからJ2の下位2チーム、J3の上位2チームの自動昇降格としましたが、クラブライセンスの取得が進んできた段階で、その点は再び考えましょうということですね」
今回の決定に至っては、ヨーロッパ各国の昇降格システムも参考にした。ドイツ、イングランド、スペイン、イタリアで共通していたのは、下位カテゴリー間ほどより広い昇降格枠が設定されている点だった。
Jクラブの上限を「60」と想定した観点で施された、改革のひとつがJ1参入プレーオフの導入となる。今後も全体的なバランスを鑑みながら、リーグ全体の競争力を高める施策を練っていく。
(取材・文:藤江直人)
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