シーズン終盤に正守護神の座を奪取した川島
リーグアンの多くのクラブが、今週6月26日から新シーズンへ向けてトレーニングを開始した。
川島永嗣が所属するメスは24日の土曜に集合し、26日からはさっそく、ブルターニュ地方で合宿に入っている。ただし川島を含む代表選手数名は、代表戦に参加していた分バカンスが若干延びて合流は7月4日からだ。
酒井宏樹が所属するマルセイユは26日に集合し、28日(水)からスイスのサイヨンというかわいらしい村で合宿を行う。同じく酒井をはじめ、パイエやトーバンら代表組は数日間の休暇延長を与えられている。
そして新シーズンの初試合は両チームともに7月1日。合宿地の地元チームと対戦する予定だ。シーズン再開を機に、リーグアンの2人の日本人選手の昨季をあらためて振り返り、来季の展望を探りたいと思う。
まずは川島だが、『第3GKとして獲得』とクラブに報じられる形でメスに入団したあと、10月にベンチ入りという最初のステップを踏み、年明け初戦のフランス杯で実戦初出場。
3月の代表戦ではW杯予選に先発出場し、リーグ戦も佳境に入った4月、PSG戦でフランスリーグデビューを飾ると、終盤、残留を競っていたナンシーとのダービー戦、残留を決めたリール戦と重要な試合で2連勝に貢献。37節のトゥールーズ戦ではPKを止める活躍も見せ、最終節までゴールマウスを守るという、尻上がりなシーズンを経験した。
……というと一見結果オーライに聞こえるが、その裏には、20代前半の若い第1GKと競い、18、19の若手選手とリザーブチームでプレーするという、これまでは体験したことのなかった状況に立ち向かう苦難もあった。
しかしシーズン終盤の川島には、「苦労を乗り越えて、ようやく日の目をみました!」という浪花節的な苦労人ストーリーを感じさせる空気は微塵もなかった。逆に、どこか突き抜けた爽快さが漂っていた。