杉岡の才能を見抜いていた指揮官。湘南でも戦術理解力の高さ発揮
「U-20W杯で多少自信がつきました」という言葉に一切の嘘はない。6月に入ってからの杉岡の成長ぶりは凄まじく、毎試合たくましくなった様子が見てとれる。17日のJ2第19節京都サンガF.C.戦では、後半アディショナルタイムに岡本拓也のゴールをアシストしたが、ラストパスまでに至る過程のドリブル突破は圧巻だった。
21日に行われた天皇杯2回戦の国士館大戦でも、途中出場でピッチに立つと、ペナルティエリア内でドリブル突破を仕掛け、鋭い折り返しから延長後半の108分に藤田祥史の決勝ゴールをお膳立てした。1ヶ月前までセンターバックとしてのイメージが強かっただけに、驚くべき変貌ぶりだ。
ただ「元々結構ドリブルは好きというか、センターバックをやっていてもドリブルして上がっちゃうような選手だった」と杉岡は言う。高校時代は1年次からトップチームの試合に出場し、3バックと4バックの両方でキーマンとして活躍。センターバックだけでなくサイドバックやボランチも経験していた。戦術理解力の高さは同世代の中でも屈指のものを持っていた。
湘南のチョウ・キジェ監督も「元々そういうところ(攻撃的な姿勢)は、市船時代からあって、非常にいい指導を受けてきた選手なので、スペースがあったら前に運ぶ、それも顔を上げながら運んでいける。パスもドリブルもできるということは、高校3年の時点で非常にいいものを身につけていた」と杉岡の能力を高く評価している。