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柴崎岳が証明した確かな実力。テネリフェ、1部昇格ならず…3失点で見せつけられた地力の差

text by 舩木渉 photo by Getty Images

まさかの柴崎交代。後半も流れを変えられず…

 テネリフェも例に漏れず、アウェイゴールを奪ったことで消極的な姿勢がより顕著になってしまった。経験豊富な選手が揃うヘタフェは、そういったスキを見逃さない。

 37分、フランシスコ・ポルティージョのスルーパスに抜け出したホルヘ・モリーナがシュートを放つ。テネリフェのGKダニ・エルナンデスが一度は弾いたが、ボールがこぼれたところに詰めていたのは、またしてもパチェコだった。これまで何度もスーパーセーブでチームを救ってきた守護神も追いつけず、出場停止明けのアタッカーに再びゴールを許す。これで2戦合計スコアを2-3とされてしまった。

 この日のテネリフェ守備陣には明らかな問題が生じていた。失点を恐れて消極的になるディフェンスラインと、ひとつでも多く追加点が欲しい中盤よりも前の間で意思統一が図れていなかったのか、ダブルボランチとセンターバックの間にぽっかりとスペースが空いてしまっていた。2失点目と3失点目はその穴を見事に突かれた。

 前半はヘタフェのシュート10本に対し、テネリフェはわずか1本。チャンスはゴールの場面以外ほとんどなく、終始押しこまれていた。

 もうひとつアウェイゴールを奪えれば、と逆襲を期して臨んだ後半、テネリフェのホセ・ルイス・マルティ監督は51分に最初の交代カードを切る。ベンチから送り出されたのはドリブルを得意とするサイドアタッカーのアーロン・ニゲス。

 そして交代を告げられたのは、なんと柴崎だった。連戦の疲れは多少見られたものの、前半からテネリフェの中盤で傑出したゲームビジョンとテクニックを発揮し、アシストだけでなく巧みなボールキープや相手の意表を突くパスで攻撃を組み立てていたチームの希望を、あっさりと下げてしまった。

 A・ニゲスの投入によって、確かにシュート数は増えたが、攻撃は相手のディフェンスラインの裏を狙うだけの単調なものになり、ゴールまでの明確な道筋が見えない。あと1点入りさえすれば…という状況のまま時間だけが進んでいく。

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