助っ人たちに引っ張られ…日本人選手たちも着実に成長
それから10試合あまりを重ね、確かにマリノスはその期待に応えてきた。シティ・フットボール・グループの連れてきた外国人選手たちの影響力も結果に少なからず寄与している。マルティノス、デゲネク、バブンスキー、ウーゴ・ヴィエイラはいずれも決定的な貢献を果たしてきたが、一方で国内のタレントもまた目を引いている。
マルティノスは「このチームのメンバーには本当に素晴らしい力があると思う」と、先日のFC東京戦の勝利後に強調した。
「今は何人かの選手が離脱して苦しい状況にある。カバーするためにもう少し選手層の厚さは必要かもしれないが、クオリティーの高い選手たちはいると思うし、若くて良い選手たちもいる」
「たとえばジュン(天野純)は、欧州でも難なくプレーできる選手だと思う。大きな力を持った選手だ。なぜなのか分からないが、あまり気づいていない人が多いのかもしれない。毎日一緒に練習していると本当に素晴らしい選手だと思う」
「ファーストタッチが良くて、相手を背負ってもすごく簡単に振り向くことができる。それができる選手は多くはない。左足もすごく危険で、前の試合で僕がもらったパス(川崎F戦でウーゴ・ヴィエイラの先制点に繋がったサイドチェンジ)を見ても、完璧なボールだった。そういうプレーをたくさんできるし、フリーキックも蹴ることができる。練習を続けていけば、欧州でプレーするのも簡単だと思う。オランダなら間違いない」
だが今のところはマルティノスも、天野がJリーグでのプレーに集中し続けてほしいと考えていることだろう。今週末の神戸戦でも勝ち点3を手に入れることができれば、マリノスが力を認められるべきチームであることが明確に示されるのは間違いない。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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