記者会見に出席した村井満チェアマン(左)、エイバルの乾貴士(中央)、ラ・リーガのハビエル・テバス会長(右)【写真:フットボールチャンネル編集部】
22日、Jリーグはスペイン1部ラ・リーガと戦略的連携協定を締結したと発表した。Jリーグが海外のプロリーグと提携するのは11例目となり、ラ・リーガにとってはアジアでは初の提携リーグとなる。
戦略的連携協定の内容としては、(1)両国トップチームの交流、(2)テクニカル、育成(両リーグで国際ユース大会を開催する等、育成年代の交流・強化、指導者交流)、(3)インテグリティ(セミナー開催におけるスタッフ派遣およびノウハウ・リソースの共有)、(4)クラブマネジメント、リーグ運営(リーグ、クラブスタッフの短中期交換プログラム、両リーグイベント等の視察)となっている。
なお、Jリーグがパートナーシップ協定を締結した各国リーグの国籍を有する選手は2017シーズンより日本人選手と同様の扱い(外国人枠による制限を受けない)となっているが、戦略的連携協定対象国であるオーストラリアとスペインの国籍を有する選手はこれに含まれない。
今回の連携を発表する記者会見も行われ、Jリーグの村井満チェアマンとラ・リーガのハビエル・テバス会長が登壇。連携協定を締結した意義について説明がされた。協定の内容それぞれについて話題がおよび、村井チェアマンは日本が学ぶべきことの一つとして育成面に関して次のように語っている。
「育成面でいいますと、ラ・リーガはトップチームの登録選手25名枠のだいたい6割ぐらいが下部組織・カンテラーノの育成選手が上がっているという結果が出ています。ホームグロウンが固定の制度化をされているわけではないなかで、ここまで育成組織からトップチームに上がっている。これは日本が大変学ばなければいけないところであります。
ご存知のように世界と比較するためにフットパスというオーディット(監査)の仕組みを使って日本の育成組織、J1・J2の40クラブを採点しましたけれども、いわゆる満点が100とすると、たとえば総合点でいうと日本の場合は40点をちょっと超えるくらいでありました。ヨーロッパはそれが80とかにいくというような格差が大きくあります。
特に『個の育成』に関しては、日本はもう20点台とか、そんなレベルでありました。カンテラーノの仕組みや育成のディテールも含めて学んでいきたいと考えております」
いっぽうでラ・リーガのハビエル・テバス会長は「教えるために来るのではなく、Jリーグとともに分かち合って交流を結んでいこうということを趣旨として考えております」と語った。またJリーグから学びたいことについては、DAZNと放映権契約を結んだことについて話がおよび、この放映権契約については「革新的な」ことだと考えているという。
「Jリーグが放映権に関してDAZNと提携を結んだというのは、スペインから見ても大変革新的なものであると思います。そうしたコラボレーション、そうした動きというものが、今後どういったところに向かっていくだろうということは、スペインでも注目しています」
現在ラ・リーガの1部では乾貴士(エイバル)が、2部では柴崎岳(テネリフェ)、鈴木大輔(タラゴナ)がプレーしている。テバス会長は、彼らの活躍によって日本におけるリーガの認知度が高まっていることに感謝したいとも語っていた。
(取材・文:中山佑輔)
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