欠けていた「真のリーダー」。安藤が最後のピースか
相手と「戦う」姿勢をより自然にピッチ上で表現できるようになれば、積年の課題を解決するための第一歩になる。安藤の加入とそれによる影響は、いまのところポジティブな反応を示していると言っていいだろう。
10番を背負って2014年のリーグ優勝も経験したFW吉良千夏は「安藤さんがやっているから(自分も)やらなきゃいけない」と言葉に力を込める。これまでの浦和Lには明確なリーダーがいなかった。
2012年シーズンを最後に中心選手を含む6人が一度に退団し、それに伴うチームの急激な若返りの影響もあって2013年は残留争いを強いられた。2014年は若い力と強力なカウンターを武器に序盤からの勢いを維持して一気に勝ちを積み重ねたが、それ以降は再び低迷する。
20代中盤の選手たちは真のリーダーになれず、かつて先輩たちに引っ張られていた頃の感覚から抜け切れていなかったのかもしれない。「安藤さんみたいに気合いを入れてくれる存在はいなかったというか、上の人が言ってくれるからやらなきゃというか、存在は大きいですね」と吉良は語る。安藤は浦和Lに欠けていた最後のピースだった。
それでも勝ちを拾えない現状に、安藤は満足していない。「もっとできる選手たちだと思うし、優勝を目指しているので、まだ強い、勝ち切るチームまではいけていないと思う。球際のところもですし、攻撃の迫力も足りないと思っているので、みんなでやっていきたい」と、チームメイトたちにさらなる奮起を求める。