柴崎が島のヒーローになった日
期待はずれだったはずの新戦力が一瞬にして街のヒーローになった。
現地時間18日に行われたスペイン2部の1部昇格プレーオフ準決勝2ndレグ、本土から遠く離れたテネリフェ島が歓喜に沸いた。
アウェイでの1stレグを0-1で落としていたテネリフェは、ホームに戻ってカディスとの大一番に臨んだ。2010年を最後に1部の舞台から遠ざかり、3部でどん底を経験。ここ3年間は2部で二桁順位に沈んでいた離島のクラブにとって、待ちに待った大チャンス。選手たちにとっても意地の見せどころだ。
テネリフェの本拠地エスタディオ・エリオドロ・ロドリゲス・ロペスの選手・関係者用ゲートは一般道に面した場所にある。故に一般的なスタジアムに見られるようなファンと選手を遠ざけるような柵などはなく、両者は非常に近い距離でふれあうことができる。
特に15日の試合前は、いつも以上の盛り上がりがうかがえた。大勢のファンがスタジアム入りする選手たちを花道で出迎え、肩を叩き、鼓舞する。これだけのサポートを受けた選手たちが燃えないはずはない。
失意の1stレグからスタメンを2人変更したテネリフェは、リーガ最終節で負傷していたアンソニー・ロザーノが先発復帰。そして地元出身の主将スソ・サンタナが先発メンバーに名を連ねた。
もちろん柴崎岳も先発出場。ボランチに始まり、インサイドハーフや2列目のサイドなど試合中にコロコロ役割が変わって持ち味を発揮できなかった1stレグとは違い、試合開始時から左サイドMFとしてプレーした。
アウェイでの1stレグは、ホームの大声援をバックに猛烈なプレッシャーをかけてきたカディスに押され、ほとんど何もさせてもらえずに敗れたテネリフェ。その試合から中2日でメンバーを入れ替え、どのように修正してくるかにも注目が集まった。