「A代表でもレギュラーを張れる選手だと思っている」(森保一)
アギーレ前監督のもと、準々決勝でUAE代表に苦杯をなめたアジアカップ2015では、ともにワールドカップ・ブラジル大会にも出場している吉田麻也(サウサンプトン)、森重真人(FC東京)が築くセンターバックの壁を越えられなかった。
直後のアギーレ前監督の解任を受けて、急きょ発足したヴァイッド・ハリルホジッチ体制では、国際Aマッチ出場どころか日本代表へ招集すらされなくなった。塩谷のオーバーエイジ枠での招集を喜びながらも、サンフレッチェの森保一監督はこんな言葉をつけ加えることも忘れなかった。
「日本代表になる選手という期待とともに、水戸の監督だった柱谷哲二さんから塩谷を託されました。A代表でもレギュラーを張れる選手だと僕自身も思っているし、そこは目を向けてほしいところですよね。メディアの皆さんにも、そういう発信をしていただければ」
森保監督がちょっぴり皮肉っぽく指摘したのは、海外組という肩書が偏重されるハリルホジッチ監督の代表選考に他ならない。ワールドカップ・アジア最終予選が大詰めを迎えたいま現在も変わらないなかで、塩谷が海外組の仲間入りを果たすことが決まった。
おりしもハリルジャパンのセンターバック陣は、再編の時期を迎えている。6月シリーズでは常連だった森重が選外となり、それまで獲得キャップ数がわずか「2」だった24歳の昌子源(鹿島アントラーズ)が吉田とコンビを組んだ。
リザーブに名前を連ねていたのは、左サイドバックでの招集が多かった槙野智章(浦和レッズ)と、代表初招集でリオデジャネイロ世代でもある22歳の三浦弦太(ガンバ大阪)。捲土重来を期す森重を含めて、新たな選手が割り込む余地は決して小さくはない。
しかも塩谷には、ハリルホジッチ監督を振り向かすことのできる舞台が残されている。決勝トーナメント1回戦を終えた今シーズンのACLで、アル・アインはベスト8へ進出。8月21日にはアル・ヒラル(サウジアラビア)との準々決勝ファーストレグに臨む。