後半立て続けに起きたトラブル…そして最悪の失点
2018年ロシアW杯アジア最終予選突破に王手をかけるべく、気温35度・湿度10%の灼熱の地・テヘランでのイラク戦に挑んだ日本代表。7日のシリア戦(東京)から中盤を総入れ替えし、右FWに本田圭佑(ミラン)を配置、久保裕也(ヘント)を左FWに回す大胆な陣容変更に踏み切ったこの試合で、彼らは新エース・大迫勇也(ケルン)が開始早々に先制。
その後、やや全体が引き気味になりすぎる嫌いはあったものの、本田を中心に頭脳的な戦い方を貫き、1-0で前半を折り返すことに成功した。
後半も大迫とのワンツーから20歳のダイナモ・井手口陽介(G大阪)が前線に飛び出したり、井手口・遠藤航(浦和)・久保のリオデジャネイロ五輪トリオが絡む攻めを見せたり、試合は指揮官のシナリオ通り進んでいるように見受けられた。
ところが、井手口が後半17分に相手選手の競り合いから頭を強打し、途中交代を強いられてから状況は一変。後半25分にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が原口を下げて倉田秋(G大阪)を投入し、2枚目の交代カードを切った直後、アクシデントが立て続けに起きた。
久保が足のけいれんを起こし、酒井宏樹(マルセイユ)が前々から抱えていた右ひざの負傷を悪化させ、動けなくなったのだ。
「(足に)力が入んなくなったんで…。3分間くらいずっとプレーが切れなくて、切れたらしゃがもうと思ってたけど、それが失点シーンになってしまった」と酒井宏樹は肩を落としたが、動かない足はどうしようもない。
最後尾に陣取る吉田麻也(サウサンプトン)と川島永嗣(メス)が踏みとどまってくれればよかったが、吉田が足もとに転がったボールをクリアせず、川島にキャッチさせようとした瞬間、アブドゥルラヒーム(8番)に奪われ、最終的にカミル(19番)に同点弾を決められるという信じがたいミスが出た。
「最初の段階で引きすぎていて、ボックス(ペナルティエリア)内の守備になってしまって、我慢するところで我慢できなかった」と吉田は反省しきりだったが、これが致命傷となり、日本は貴重な勝ち点2を失った。