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日本代表 7年前

ハリルJ、イラクが誇る「左右の槍」に警戒せよ。欧州で研いだ牙。両翼の破壊力【識者の眼】

text by 河治良幸 photo by Getty Images

セットプレー時も猛威を振るう両槍

 右のヤシンはスウェーデン1部のAIKソルナに所属する欧州組。クリスティアーノ・ロナウド似の風貌さながらに、一瞬でトップスピードに乗るドリブルが武器。縦に抉りながら上げるマイナスクロスも危険だが、左のアドナンより中に絡んで仕掛けるケースが多く、トップ下のアッラ・アブドゥル・ザフラとのコンビネーションからのミドルシュートにも注意を払う必要がある。

 長友佑都のコンディションが不安視される左SBは酒井高徳あるいは新戦力の宇賀神友弥も選択肢になるが、彼らにはライン際を防衛するだけでなく、斜めの飛び出しや中に流れる動きに対する柔軟な守備が求められる。

 もちろん必要以上に陣形を崩さないように、ボランチやCBとの受け渡しは重要になるが、基本的にはSBが厳しく対応していきたい。

 彼らが怖いのは流れの中だけではない。アドナンの左足、ヤシンの右足はセットプレーでも猛威を振るう。また2人も長身で、キッカーでない時はゴール前でターゲットマンになることもできる選手たちだ。

 CKの場面では右SBのワリード・サリムがキッカーをつとめることもあり、その時は192cmのDFレビン・ソラカ・アブハマットや前回の日本戦でゴールを決めたMFサード・アブドゥルアミールに加え、彼らもゴール前に入ってくる。

 左右のSBを中心に、可能な限りファウルなくアドナンやヤシンの刺激を止めたいが、全て回避するのは難しいかもしれない。暑さや高地特有の気候で体力的にも苦しい戦いを強いられるだろうが、なんとかコンパクトな陣形を維持して、左右の槍に仕掛けさせない状況を心がけていくべきだ。

(文:河治良幸)

【了】

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