新監督のもと再スタートを切っているイラク代表
アジア最終予選B組の首位に立つ日本代表はイランのテヘランでイラク代表と対戦する。昨年10月のホームでは後半アディショナルタイムに山口蛍が起死回生のゴールを決めて何とか勝利した難敵だ。
彼らの現在の勝ち点は5。予選敗退が決まりシュナイシェル前監督も解任されたが、リオ五輪のメンバーを中心とした若いチームはカシム新監督のもと再出発している。
堅実な守備からダイナミックなサイドアタックを仕掛けてゴールに襲いかかるイラクの強みが左のアリ・アドナンと右のアフメド・ヤシン。ともに185cmの長身であり、突破力とキック力に絶対の自信を持つサイドアタッカーが、両翼から敵陣を襲撃する、言わばイラクが誇る左右の槍だ。
ウディネーゼに所属し、イラクで史上初のセリエA選手となったアリ・アドナンは23歳。U-19アジア選手権やアジア大会など、これまでも同年代の日本を大いに苦しめた。
前回の対戦では[4-2-3-1]の左ウィングを担い、日本代表の右SB酒井宏樹と激しいマッチアップを演じた。一瞬のスピードは無いが、抜群のボディバランスで直線的に突き進み、シンプルに正確な高速クロスをゴール前に上げてくる。
時にワイドな角度から放つミドルシュートはニアもファーも狙え、日本のGKは常に注意が必要だ。
今回は左SBの主力であるドゥルガム・イスマエルが今回のメンバー招集を受けながら、直前に行われた韓国戦のメンバーから外れており、アリ・アドナンが左SBに入り、ウィングには“イラクのメッシ”ことフマム・ターリクが入る可能性が高い。
その場合、大柄な酒井宏としてはターリクの小技にも悩まされそうだが、アリ・アドナンの左足が決定的なシーンを生み出さない様にしたい。その意味では右サイドハーフの久保裕也や浅野拓磨にも守備の貢献が求められる。