チームにのしかかる負傷者問題
2018年ロシアW杯出場権獲得へ一気に前進できるか否かを左右する重要なイラク戦(テヘラン)が迫ってきた。7日のシリア戦(東京)の後、9日に現地入りして4日間の調整を行ってきたが、前日の12日になって右すね打撲の山口蛍(C大阪)もようやく全体練習に合流。24人全員がプレーできる状態にはなった。
とはいえ、山口を先発抜擢できる確証はないため中盤の人材難は依然としてチームに重くのしかかっている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も前日会見で「長谷部(フランクフルト)がいない、(香川)真司(ドルトムント)がいない、蛍も少しどうだっていう感じで、今野もまだどうだっていう感じ。清武(C大阪)も来てませんし」とわざわざ自分が外した清武の名まで出して、選手層の薄さを嘆いたほどだ。
それでも、現有戦力で何とかしなければいけないのがサッカーであり代表チームだ。シリア戦で採用した4-3-3を継続するのであれば、アンカーに山口か井手口陽介(G大阪)、右インサイドハーフに本田圭佑(ミラン)、左インサイドハーフに今野泰幸(G大阪)というのが可能性の高い組み合わせである。
非公開練習では従来の4-2-3-1もテストし、最終予選初先発となる井手口や遠藤航(浦和)をボランチで起用するプランも試した模様だ。
12日の練習後、吉田麻也(サウサンプトン)が「今までにないくらい若いメンバーが今回招集されていて、そこをうまくリードしていかなきゃいけない。若い選手が多くなっても、やっぱり日本を背負って戦ってるんで、日本を代表してプレーしてる誇りと責任を持ってやってかなきゃいけない」と若手抜擢を匂わせる発言をした通り、井手口らの出場確率はかなり高そうだ。
中盤の構成が大きく変わる中、大迫勇也(ケルン)と岡崎慎司(レスター)の両ストライカーには攻めの起点となるのはもちろんのこと、自らチームを勝利へと導くゴールがより強く求められてくる。
「今は僕が起点を作り、両サイドがゴール前入ってきて点を取るっていう形になっている。サイドで起点作って僕がゴール前に入る形をもっともっと作っていかないといけないとは考えてます」と最終予選4試合連続スタメンが確実視される大迫が苦しい胸の内を吐露したように、ターゲットマンとしてゴールに背を向けてプレーする時間が長くなっているのは確かだろう。