少々気にかかるイラク戦のタイミング
少々気にかかるのは、重要な一戦となるイラクとの予選の試合のタイミングだ。欧州のシーズンをまさに終えた直後という時期の試合となる。
いまや日本代表の選手の大半は海外でプレーしており、先日のシリアとのドローも含めて、サムライブルーはこの時期には例年低調なパフォーマンスを見せている。
たとえば昨年の6月7日には、ボスニア・ヘルツェゴビナの直接的なプレーとフィジカルに圧倒され、大阪で1-2の敗戦を喫した。ホームでシンガポールと0-0のドローを演じてしまったW杯予選のあの一戦も、2015年の6月初旬に行われたものだった。
「簡単ではないですが、僕らは代表選手なので。そこはみんなで擦り合わせていかないと」と、酒井は長く厳しいシーズンを終えたあとでもパフォーマンスを発揮する必要があることを強調していた。
セリエAで7年間の経験を重ねてきた長友佑都も、欧州のクラブでシーズンを終えたあと、精神と肉体の状態を保つことの難しさを認めている。
「シーズンの最後なのでもちろん、みんなフィジカル面もメンタル面も疲れを感じてはいます」とインテルのスター選手は語った。
「それでも言い訳にはできないですし、今日の試合はイラク戦に向けてコンディションを整えることが目的でした。もちろん勝てなかったのは残念ですが、一番残念なのは(香川)真司の負傷だと思います。それでも、コンディションを高めるという意味では今日の試合に大きな意味があったと思いますし、13日にイラクに勝てる状態だと思います」
ここのところボルシア・ドルトムントで本来の姿を取り戻す気配を見せていた香川を失ったことは確かに大きな痛手だ。彼を欠くテヘランでの日本代表には、代役として創造性を生み出す役割を果たす選手が必要になる。
「守備もはまらなかったですし、攻撃の形もうまくつくれなかったので、改善しなきゃいけないですね」と原口。「これから選手も監督も一緒に話をして、意見交換をするのが大事だと思います」
「僕自身チャンスがあって、決めていれば良かったんですが、自分のクオリティーが足りないから0-0で進んで流れが悪くなったというのがあるので。ああいうシュートを決められるのが日本代表の選手だと思うので、次は必ずああいうチャンスがあれば決めていきたいと思います」