シリア戦で浮き彫りになった守備面の課題
2018年ロシアW杯出場権獲得の大きな節目となる13日のイラク戦(テヘラン)まであとわずかとなった。日本代表は現地入りから3日が経過。11日もテヘラン郊外で17時過ぎからトレーニングを消化した。
7日のシリア戦(東京)で右すねを打撲し、8~10日の練習を3日連続で欠席していた山口蛍(C大阪)もようやく復帰。別メニューでスピードを上げながらのランニングを行って心肺機能を高めた。
「ケガの方はまあ順調に来ているんであとは(ヴァイッド・ハリルホジッチ)監督がどう判断するかだと思うんで。(標高1500mと高いので)息が上がるというのは多少なりともあるけど、すぐ慣れると思います」と本人はプレーに支障がないことを強調した。右足内転筋痛の長友佑都(インテル)の方も全体練習に完全合流。遠征に帯同している24人全員が戦力となるメドが立ちつつある。
気温35度超・湿度10%程度という過酷な環境への適応も、日に日に進んでいる印象だ。
「少し標高が高いですけど、少しずつ慣れている。暑さは変えられることじゃないんで、もうしょうがない」とチーム最年長守護神・川島永嗣(メス)も割り切ってイラク戦のピッチに立つ覚悟でいる。
困難な環境の試合ということで、日本はまず手堅い守りから入るのが鉄則。イタリア・ウディネーゼに所属するイラク人初のセリエAプレーヤー、アリ・アドナンを筆頭に屈強な体躯を誇り、当たりや競り合いの強さを武器とする相手選手たちに自由を与えてしまえば、すぐさま失点を覚悟しなければならなくなる。
シリア戦のように、後半立ち上がりの重要な時間帯に課題のリスタートから点を与えていたら、勝ち点3どころか、勝ち点1を確保するのも難しくなりかねない。
「新しい組み合わせ、新しい選手が入る中、自分たちにとって一番大切なのは、ミスをせず、スキを見せないこと。この前の試合では相手にスキを与えてしまう場面が何度もあった。失点シーンの前も3シーンくらい相手を抑えられずにシュートを打たれたりしているので、そういうところをまず詰めていかない」と川島は気を引き締める。