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アジア 7年前

“日本フットサル界の父”がベトナムへ。そしてベトナム代表監督が日本へ。旧知のライバルに訪れた数奇な因縁

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

“ミゲル・ジャパン”のW杯出場を阻んだ“ブルーノ・ベトナム”

ブルーノ・ガルシア
フットサル日本代表監督に就任したブルーノ・ガルシア氏【写真:Getty Images】

 一方、ブルーノ監督が率いるベトナムの躍進も目覚ましいものだった。2016年のAFCフットサル選手権では、準々決勝でミゲル監督率いる日本代表をPK戦の末に下してベスト4に進出し、ワールドカップ出場権を獲得。ワールドカップでは、初戦でグアテマラに歴史的勝利を収めた。

 その後、パラグアイとイタリアには敗れたものの、ワイルドカードでグループステージを突破。ベトナムは初出場ながらベスト16の快挙を達成し、大会フェアプレー賞も受賞した。

 結果的に“ミゲル・ジャパン”のアジア3連覇とワールドカップ連続出場を阻むきかっけを作ったのが“ブルーノ・ベトナム”だったのは間違いない。この敗戦の後、ミゲル監督は7年間過ごした日本の地をあとにすることになったのだ。

 奇しくも今回、当時の日本とベトナムの代表監督が入れ替わったことになり、何か因縁めいたものを感じずにはいられない。

 フットサル新興国ベトナムが目指すのは、2大会連続のワールドカップ出場。ベトナムにとって、スペイン、イタリア、ロシアなど欧州のクラブ監督を歴任し、日本代表やタイ代表を率いた経験もあるミゲル監督の就任は、これ以上ないといってもいい補強となる。

 新生“ミゲル・ベトナム”の最初の仕事は、8月にマレーシアで開催される第29回東南アジア競技大会(SEA Games 2017)。「東南アジアのオリンピック」とも呼ばれる同大会で、ベトナムは史上初の金メダル獲得を狙う。

(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

【了】

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