負傷者続出の日本、決戦の地・イランへ
13日の2018年ロシアW杯アジア最終予選・イラク戦(テヘラン)に向け、チームに新たな弾みをつけたかった7日のシリア戦(東京)。ところが1-1のドローという不本意な結果に終わっただけでなく、香川真司(ドルトムント)が左肩脱臼で離脱。右すね打撲の山口蛍(C大阪)も検査のため病院に行く事態になってしまった。
長谷部誠(フランクフルト)に代わるキャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)も腰の張りを訴え、酒井宏樹(マルセイユ)も右ひざ痛で8日のリカバリートレーニングを欠席。宇佐美貴史(アウグスブルク)はこの日でチームを離れることになった。
次戦の地・テヘランには、山口、吉田、酒井宏樹を含む24人で乗り込むが、今野泰幸(G大阪)や乾貴士(エイバル)、浅野拓磨(シュツットガルト)も負傷明けで、日本代表は野戦病院化した状態と言っていい。
日頃から選手のコンディションにはナーバスになりがちなヴァイッド・ハリルホジッチ監督も頭を抱えているに違いない。選手層が手薄になる中、いかにしてイラク相手に勝ち点3を確保するのか。その重要テーマをここからの5日間で模索しなければならないだろう。
まずイラク相手にシリア戦と同じ4-3-3で戦うのか、従来の4-2-3-1に戻すのかという判断が、指揮官には求められる。全員のシステムへの慣れとセーフティな守備を第一に考えるなら後者が望ましいが、長谷部に続き、山口も欠場の可能性があるとなれば中盤は明らかに選手が足りない。
彼らに代わるボランチの候補者は今野をはじめ、井手口陽介(G大阪)、遠藤航(浦和)、加藤恒平(ベロエ・スタラ・サゴラ)の4人。だが井手口はシリア戦で初キャップを飾ったばかりで、遠藤も2015年11月のロシアW杯2次予選・カンボジア戦(プノンペン)に先発出場して前半45分間で交代させられて以来、ボランチでプレーしていない。初招集の加藤は全くの未知数ということで、重圧のかかる国際舞台でそれなりの信頼を寄せられるのは今野しかいない。
昨年9月のロシアW杯最終予選の初戦・UAE戦(埼玉)でもボランチ問題に直面したハリルホジッチ監督は大島僚太(川崎F)を大抜擢したが、その大島が2失点に絡んでしまい、経験不足を露呈する格好となった。日本のボランチ問題は依然として深刻なのだ。