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日本代表 7年前

本田の中盤起用で見えた活路。香川負傷で迎えるイラク戦、背番号4の“転身”が解決策に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

過酷なイラク戦。勝利の鍵は国際経験豊富な本田の存在か

本田圭佑
本田圭佑のインサイドハーフ起用が日本代表の起爆剤になるか【写真:Getty Images】

 本田自身は昨年3月のロシアW杯アジア2次予選最終戦(埼玉)で対戦し、5-0で圧勝した相手に1-1という苦い結果に終わったことが不満だったのか、試合後のミックスゾーンを素通りした。自らが後半29分に迎えた決定機を外したことも、不完全燃焼の大きな要因だったに違いない。

 確かに好調時の彼ならば、大迫勇也(ケルン)からパスを受け、DFをかわした時点でゴールへの道筋が見えていたはず。そこでシュートをGKに当ててしまうのが、ミランで試合に出ていないことで失われた感覚の部分だったのだろう。フィニッシュの部分は確かに改善が求められるが、中盤のお膳立て役としては十分に使えるめどが立ったはず。イラク戦は本田をインサイドハーフで起用するのも一案と言っていい。

「(本田)圭佑は頭のいい選手だからいいポジショニングができるし、ボールを受けるのもうまい。(自分が一緒にインサイドハーフをやる場合には)どんどん頭を使って考えながらポジショニングをしなくちゃいけない」と今野はイメージを膨らませていた。

 インサイドハーフの候補者は今野、倉田、本田の3人がいるが、テヘランの過酷な環境を踏まえると、やはり国際経験豊富で、多少の荒れたピッチでもしっかりとボールを扱える本田のような選手が必要だ。

 今回の4-3-3のテストが不発に終わったのを受けて、指揮官が本来の4-2-3-1に戻すとしても、本田をトップ下に据えるのは有効なプランになり得る。香川と長年トップ下を争ってきた清武弘嗣(C大阪)を外している今回、重圧のかかる大一番でその重要なポジションを託せるのはやはり背番号4ではないか。

 アルベルト・ザッケローニ監督時代とは本田を取り巻く環境にもコンディションにも大きな違いはあるものの、当時の経験値は彼の中に今もしっかりと刻まれている。シリア戦で45分間プレーしたことで、実戦感覚は多少なりとも取り戻したはず。ここはこの男に賭けてみるのも手だろう。

 果たしてハリルホジッチ監督がどんな決断を下すのか。いずれにせよ、イラク戦が想像以上にタフな戦いになるのは間違いなさそうだ。チームの総力を結集して、苦境を乗り切らなければならない。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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