「長友は常に攻撃のアクセントになった」「典型的な親善試合だった」
――結局試合は1-1でドローに終わりました。90分を通じてどういう印象でしたか?
「まぁ…。典型的な親善試合だったね。それより“観客がいた紅白戦”だったかな」
――ショーンさんが選ぶこの試合のMVPは誰ですか?
「乾は良いインパクトを残したと思うけど、試合全体を通して長友はポジティブだったね。常に攻撃のアクセントになった。次の試合でそのようなアプローチは大事になる」
――イラク戦に向けて内容、結果ともに不安の残る試合でした。何を改善すべきでしょうか?
「親善試合で結果は別に重要じゃないと思う。代表戦は2ヶ月ぶりだったし、多くの選手のコンディションも100%じゃないから結果より体力や戦術面を再確認できたことが大切。今日の前半はあまり良くなかったけど、後半は少しずつ良くなったと思う」
――今日は5人に代表デビューの可能性がありましたが、デビューしたのは井手口だけでした。イラク戦で他の4人がデビューする可能性は低そうですが、彼らを招集したことにはどんな意味があるのでしょうか?
「意味は3つあると思う。1つ目は、その5人にとって良いモチベーションや経験になる。2つ目は、選ばれなかった選手への“ウォーニング”(=警告)になること。もしチームでパフォーマンスをキープできなければ代表でプレーできなくなる。3つ目は、代表経験が無い他の選手にとって良い刺激になったこと。『監督は全ての選手を見ているから俺もチャンスがある』と思えることだね」
――香川と蛍が負傷してしまいました。他にもコンディションが整っていない選手もいるようですが、これはイラク戦の不安要素になりそうでしょうか。
「サッカーでそれはよくあること。常にベストイレブンで試合を続けることはできない。だからこそ代わりの選手も同じレベルでプレーしないといけない。特に香川の怪我は残念だけど、倉田や乾にとって良いチャンスになるかもしれない」
――ありがとうございました。イラク戦もよろしくお願いします。
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。
【了】