若手センターバック台頭の必要性。昌子にかかる期待
新たなコンビがうまくいけば日本サッカー界にとっても朗報だろう。吉田が「現状、若いセンターバックの頭数がホントに少ないんで、下の(世代の)選手が入ってこなきゃいけないなっていうのは個人的にはずっと思ってたこと」とズバリ指摘した通り、日本のセンターバック難は長年の問題だった。
2010年南アフリカW杯16強入りの立役者だった中澤佑二(横浜FM)・田中マルクス闘莉王(京都)の鉄壁コンビをアルベルト・ザッケローニ監督が外し、吉田を軸に据えた後も、元々ボランチが本職の今野や森重が使われる形になっていた。
2014年ブラジルW杯時点で今野が31歳、森重が26歳、吉田が25歳。後任のハビエル・アギーレ監督はもっと若いDFが必要だと考え、坂井達弥(大分)や塩谷司(広島)らを抜擢したものの、定着は叶わず。昌子や植田直通(鹿島)もその頃から代表に呼ばれ始めたが、出場機会がないままだった。ハリルホジッチ体制発足後も、吉田・森重という軸に槙野、丸山祐市(FC東京)、昌子、植田が絡んだが、若手の台頭は思うように進まなかった。
しかしながら、W杯最終予選に突入してから攻撃陣の世代交代に火がついたことで、指揮官の考えも大きく変わってきた。今回、守備陣のテコ入れに踏み切ったのも、その自信と手ごたえがあったからだろう。確かに1年後のロシア本大会を考えたら、ベテランの域に入りつつある吉田や森重、槙野に全てを任せておくわけにはいかない。
現時点で25歳の昌子、22歳の三浦、あるいは先のU-20W杯に出場した中山雄太(柏)や冨安健洋(福岡)らを育てる必要性を痛感したはずだ。