井手口や加藤にもチャンス。中盤の競争は熾烈に
[4-3-3]の中盤はこれまでの経験から順当なら山口蛍、今野泰幸、香川真司の3人がレギュラー、さらにUAE戦において香川との交代で出場した倉田秋が途中起用のファーストオプションになる。しかし、今野に関してはケガ明けであることも考慮しておそらくシリア戦はそれほど無理させないはずで、インサイドハーフのポジションでは井手口や加藤といった選手にもチャンスはありそうだ。
中盤での高いボール奪取能力と攻め上がりがハリルホジッチ監督に評価されている井手口。前回招集された際に「本当にレベルの差を感じたし、悔しい思いもした。プレースピードや判断スピード、全部が違った」と日本代表の壁を実感しており、当時チャンスをもらえなかったことに関しては納得している様子だが、そこから半年経って成長した姿を見せられるかどうかが問われる。
大先輩の今野については「(UAE戦で)本当に守備も攻撃も際立って目立っていたし、(自分と)同じポジションであそこまで目立つのはすごい」と語るが、見習う部分が多いことを自覚しつつも「競っていかなければいけない」と競争心はのぞかせている。ただ、本人も“いつも通りの平常心”を強調するように、チャンスにも舞い上がることなくプレーできれば、そのまま持ち味を発揮することができるだろう。
初選出ながら、5月28日にスタートした欧州組合宿の初日から帯同した加藤にはこの期間に欧州組の猛者たちとのフィジカルトレーニングやミニゲームを通じて感覚を引き上げてきた強みがある。攻撃面に課題を感じながらも「守備のところは全然やれる感覚があります」という加藤は同じポジションのライバルについて「みんな守備のところですごく特徴がある選手で、タイプ的には似ている」と語る。
おそらく起用が想定されるのは井手口と同じくインサイドハーフだ。まずは中盤でボールを奪うこと。そしてボールを奪ったところから何ができるかが見所となる。とはいえ「すぐにプレーさせるかどうかは分かりません。今じゃないかもしれないですね。W杯へパフォーマンス上げて行かなければいけない。まだA代表でそこまで経験のない選手をいきなり出すのは難しいかもしれない」と、指揮官は加藤の試合での起用には消極的。まだチームのレベルに慣れる段階かもしれない。