シリア戦は過酷なアウェイ戦のシミュレーション
「シリアはイラクに似ている。Aグループからプレーオフに回る可能性があり、フィジカルとアグレッシブさを兼ね備えた相手だ。守備の“デュエル”がものすごく強く、3失点しかしていない」
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はシリアについてこう評価し、W杯アジア最終予選のイラク戦に向け、格好のテストであることを強調した。通常より厳しいピッチコンディションで、イラクという屈強な相手と対戦する前に、ホームではあるが同じく最終予選を戦うタフなチームを対戦相手にできることは確かなメリットだ。
「パス中心の組み立てができなくなる。空中戦、ロングボールが多くなる。そこで勝つ、セカンドボールを奪う想定。ボールをしっかり奪う。そこから、できるだけ背後に。相手の短所をしっかり突く、ただ長所もあるので、消しにいく。その準備のための選手を選んだ」
そう語るハリルホジッチ監督。シリア戦に勝利するだけなら、ホームアドバンテージを生かしてある程度、ポゼッションを意識した戦い方を選択するプランもあるが、“本番”のテストマッチである以上、アウェイの困難な状況を想定した戦い方を取り入れることが重要になる。
DF三浦弦太、DF宇賀神友弥、MF加藤恒平が初選出、昨年11月に招集経験のあるMF井手口陽介もまだ出場キャップはないが「常に向上しており、もの凄く伸びしろがある」(ハリルホジッチ監督)という評価を受けて選ばれている。
さらに今回はMFでの選出となった遠藤航にも共通するのが守備における“デュエル”の強さだ。シリア戦では練習から3月のUAE戦と同じ[4-3-3]の採用が予想される。特に今野がケガ明けの中盤のチョイスが気になるところだが、“デュエル”はシリア戦、さらにはイラク戦をにらんだ選手起用の主な基準になるだろう。