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Jリーグ 7年前

柏、8連勝導いた転換点。怒涛のハイプレス集団への変貌。土台はアカデミーからの継続に

text by 藤江直人 photo by Getty Images

夏場を乗り切るのに十分な勢いと自信

 もっとも、土台としてあるのはビルドアップからしっかりパスを繋いでいく攻撃の部分であり、守備に関しては「トップチーム独自のものがある」と下平監督は続ける。

「前からプレッシャーをかけたいと選手たちが望み、それができるメンバーもいる。アカデミー出身だ、外から来た選手だというのは関係なく、いま現在のトップチームがやっていこうという形がある。クラブも現場に集中させてくれる状況を作ってくれているし、サポーターとの関係もすごく良好だと思っています。

 去年は僕自身も監督になったばかりで、何だかよくわからないというか、勢いで勝ったという感じも実際にありました。今年はチームが着実に力をつけてきていると実感していますし、実際に選手たちがやるべきことをしっかり整理していると見て取れる。そういったところの積み上げが、去年との違いなのかなと」

 クリスティアーノも小池も、ヴァンフォーレ甲府から加入して2年目のMF伊東純也も、とにかく必死に走る。献身的に体を張る。リードした終盤には、レッズ出身の細貝萌がクローザー的な役割を担う。

 現時点でリザーブに回ったディエゴ・オリベイラや大津も、腐ることなく出番を待っている。シンプルゆえに一丸となった戦い方には、ブレや迷いが生じる隙がない。だからこそ無類の強さが発揮される。

 連勝を伸ばしてきた過程で、ひとつの“不敗神話”が生まれた。中川が11キロ以上を走破する、あるいは25回以上のスプリントをマークしたリーグ戦は9戦全勝をマークしている。

 シーズン途中で鮮やかに生まれ変わったレイソルで、小さな背中が羅針盤となっている揺るぎないデータと言っていい。伝え聞いた武富はニヤリと笑った。

「それじゃあ、もっと走ってもらいましょうか」

 間もなく蒸し暑い梅雨が訪れ、明けた先には暑い夏が待っている。ハードワークを実践し続けるには困難な時期を乗り越えるだけの勢いと自信が、いま現在のレイソルには力強く脈打っている。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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