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レアルが迎えた黄金時代。ここ4季で3度目のCL制覇。モドリッチ&クロースという生命線【西部の戦術アナライズ】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

レアルが迎えた黄金時代。生命線はクロースとモドリッチ

レアル・マドリーのルカ・モドリッチ(左)とトニ・クロース(右)
レアル・マドリーのルカ・モドリッチ(左)とトニ・クロース(右)【写真:Getty Images】

 レアルの優勝はチャンピオンズカップの時代も含めると通算12回目。CLになってからは史上初の連覇を達成した。ここ4シーズンで優勝3回、レアルは華々しい彼らの歴史上でも何度目かの黄金時代を迎えている。

 ライバルのバルセロナは、ボールポゼッションとプレッシングの循環で勝ちパターンを作ってきた。ほぼ相手陣内で攻守を完結させてしまうやり方だった。レアルはバルサに似ているが、もう少しオールマイティだ。引いて守ることもできるし、カウンターは世界最高レベルである。

 ただ、オールマイティということならユベントスのほうがバランスは良かったかもしれない。レアルはユベントスほど守備に安定感がないからだ。先制した後にユベントスに攻め込まれると同点にされた。

 しかし、その後は再び攻撃に転じて立て続けの2ゴールで勝負を決めた。レアルの攻撃力がユベントスの堅守を上回った。もともとレアルに速攻されたくないユベントスとしては、背後を消しての堅守速攻に勝機があったと思う。だが、その堅守を崩されたのだから力負けである。

 速攻リスクを承知でユベントスが攻勢をとり続ければ、レアルの守備は崩せたかもしれないが、実際にはユベントスが攻め続けることはできなかった。クロースとモドリッチがいるかぎり、必ずレアルに反撃されるからだ。

 彼らにボールが入りさえすれば、ハイプレスからは脱出できる。相手を押し戻すこともできる。MVPは2ゴールのロナウドだが、レアルの生命線はやはりクロースとモドリッチだった。

(文:西部謙司)

【了】

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