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レアルが迎えた黄金時代。ここ4季で3度目のCL制覇。モドリッチ&クロースという生命線【西部の戦術アナライズ】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

畳みかけるレアル。終わってみれば4-1と大差に

 最も警戒していただろう形で失点を喫したものの、これで吹っ切れたのかユベントスは攻勢に転じる。今度はレアルが自陣へ引いて耐える番になった。

 ユベントスのハイプレスにレアルは自陣から出られない。1度だけ得意の高速カウンターから決定的になりかけるがイスコがコントロールをミスしてしまった。ユベントスはリスクを冒した攻撃を成就させ、26分にマンジュキッチがオーバーヘッド気味の、しかもドライブのかかった見事なシュートを決めて追いついた。

 その後もしばらくレアルは自陣からのビルドアップが上手くいかず、ユベントスの包囲網を逃れようとサイドチェンジの長いパスを使うがかえって狙い打ちにされる。終盤にようやくクロースとモドリッチをボールが経由するようになり、そこからは再び押し込み始める。レアルはこの2人さえ経由させれば運べる。

 後半開始から、レアルはバルザーリの裏へ長いパスを落として攻め込む。ここはユベントスのウィークポイントだ。後半はレアルのボール支配が続いた。ユベントスは背後のスペースを消して耐えるが、イスコ、クロース、モドリッチを中心としたパスワークに対して奪いどころを見つけられない。

 押し込むレアルはカゼミーロのミドルシュートで2-1と再びリード。前半同様、ここからユベントスのターンになるかと思われたが、今回はそうではなかった。レアルは攻勢を緩めず、ハイプレスで奪ったモドリッチからのパスをロナウドが絶妙の走り込みとボールタッチで至近距離から決めて3-1と畳みかけた。

 ユベントスはバルザーリをクアドラードに代え、右MFのダニエル・アウベスを右SBへ下げて攻撃型へシフト。レアルはいったん撤退して守るが、ボールを奪うと簡単には渡さない。ユベントスはピャニッチをマルキージオに交代、さらにディバラからレミナ。期待されたディバラは彼らしいプレーを見せられずじまいだった。

 一方、レアルはベンゼマ→ベイル、イスコ→アセンシオと交代カードを切り、フォーメーションを4-5-1として守備固め。84分のクアドラード退場で、クロースをモラタに代える余裕もあった。90分にはロナウドのハットトリックを狙ったFKが壁に弾かれると、拾ったマルセロがゴールライン際に切り込んでプルバック、アセンシオがダメ押しの4点目。終わってみれば4-1と思わぬ点差がついた。

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