負傷癒えた乾貴士、久々の代表戦へ準備万端
5月28日から千葉県内で行われてきた日本代表欧州組合宿が4日、最終日を迎えた。この日は右足アキレス腱痛で前日の練習を回避した浅野拓磨(シュツットガルト)が2日連続で欠席。臀部に痛みを訴えていた香川真司(ドルトムント)は練習に復帰し、14人でサーキットトレーニングを交えたシュート練習、狭いエリア内での7対7など負荷の高いメニューを消化した。
練習後には見学に訪れた300人の子どもたちとのふれあいの場が設けられ、選手たちが笑顔でハイタッチやサインに応じた。サプライズ選出の加藤恒平(ベロエ・スタラ・ザゴラ)は「たぶん誰か分からないでサインもらっている子もいたと思うんですけど、僕がもっといい選手になって上のリーグに行ければ誇れるサインになる。そういうサインになるように頑張ります」と目を輝かせていた。
8日間の練習を終えたヴァイッド・ハリルホジッチ監督も満足感を得たのか、普段以上に饒舌だった。「ここまでの練習は、我々が『リ・ジェネレーション』と言っている部類の体を少し再生させるトレーニング。心肺機能と肺循環機能を目覚めさせるためのトライをしている。まだフィジカルトレーニングという部類には入らない。人数が少ない中からだんだん(新たな選手が)合流してくる形の調整だったので結構難しかった」と説明しつつも、少なからず手ごたえは感じている様子だ。
浅野の動向は気がかりだが、右足首負傷で序盤から別メニューが続いていた乾が復帰したのは朗報と言える。「足の具合は大丈夫。気を抜くとまたやっちゃうんで、しっかり気を引き締めてやりたい」と本人も話しており、7日のシリア戦(東京)出場は問題なさそうだ。
仮にこのゲームのピッチに立つことになれば、乾にとっては2015年3月のウズベキスタン戦以来。場所は同じ東京スタジアム(味の素スタジアム)だ。
「今の(ハリルホジッチ)監督になってから(呼ばれたのは)一番最初の時と今なのでまだ何とも言えないんですけど、もう楽しくやれればいいかなと。その中で結果を出せば誰も文句を言わないと思いますし」と本人はまず自分らしさを前面に押し出す構えだ。
「エイバルで2年やってボールを失う回数も減りましたし、ディフェンスの部分での戦術理解度も高くなった」と課題だった守備面での改善にも自信を得ており、原口元気(ヘルタ)の牙城を崩す糸口をつかめるかもしれない。