浦和の選手たちと衝突した済州ユナイテッド【写真:Getty Images】
先月31日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の浦和レッズ対済州ユナイテッドの試合で、済州の選手が起こした乱闘騒ぎについて一部の韓国紙が理不尽な批判を展開している。
事の発端は、済州のDFペク・ドンギュが浦和のMF阿部勇樹にエルボーを食らわせたシーンである。
2戦合計スコア2-2の状況で迎えた延長後半、浦和はDF森脇良太が決勝ゴールを奪う。その後、浦和は相手陣内でボールをキープして時計の針を進めた。
このプレーをきっかけに済州は浦和の選手たちと衝突。控えだったペク・ドンギュはビブスを着てベンチに座っていたはずだが、全力疾走でピッチを横断し阿部の顔面にエルボーを食らわせた。試合出場のなかったペク・ドンギュには、当然レッドカードが提示されている。
韓国紙『ブリッジ経済新聞』は「浦和が被害者のコスプレ。済州の一方的な暴行ではない」と報じている。
同紙が伝えているところによると、ペク・ドンギュが阿部にエルボーを食らわせたのは「偶発的」なのだという。浦和のFWズラタンと済州の選手が口論していたところを仲裁に入ろうとしたペク・ドンギュは、「スピードをコントロールできず阿部とぶつかった」という言い分だ。
映像を見る限り、ペク・ドンギュはズラタンには見向きもせず一目散に阿部目がけて走っていることがわかる。明らかに肘を前に出して阿部に顔面に直撃させているため、「偶発的」とは言い難い。
だが同紙は「済州の選手と衝突した原因を引き起こしたにもかかわらず、浦和は被害者のコスプレを続けている」と、あくまでも衝突の原因は浦和側にあると主張している。
また、決勝ゴール後の浦和のボールキープにも苦言を呈した。通常、リードしたチームが相手陣内でボールをキープすることは世界のサッカーにおいて常套手段だが、「普通ではなかった」と、これにも批判的な論調だった。
済州のチョ・スンファン監督は「ファンにはいい試合といいマナーを見せることができず申し訳なく思う」と謝罪の言葉を述べた一方で、「浦和の選手が我々のベンチに向かって勝利を喜んだことで選手たちを刺激した」とも発言していた。
韓国メディアの多くはこの乱闘事件を冷静かつ客観的に報じ、済州を批判するメディアもあったが、『ブリッジ経済新聞』は浦和に対して批判的に報じている。
しかし、どんなに試合がエキサイトしようと暴力は絶対に許されるべきではない。激しさの中でもフェアーにプレーし、互いをリスペクトするべきだろう。
【了】