本田が日本代表で再び輝くために。クリアすべき3条件
久保と原口という生粋のアタッカーを両サイドに2枚配置するより、1枚は組み立てもできるタイプを起用した方が全体のバランスがよくなるという考え方もできる。ハリルホジッチ監督がその選択をするかどうかは未知数な部分もあるが、本田は非常に多彩な能力を持った選手。かつて彼にエースの座を明け渡した先輩・中村俊輔(磐田)も「本田みたいにいろんなポジションを柔軟にこなせて結果を出せるのが本当にいい選手」とコメントしたことがあった。それを指揮官に再認識させることも肝要と言える。
同じ位置を争うライバル・久保との差別化をまず第一に図り、違ったポジションでも代表に貢献できることも実証して、出場機会を確実に得られる新天地に赴く…。その3条件をクリアできれば、本田はロシアの舞台で輝きを取り戻せるに違いない。
「フィジカル的には問題ない。ただ、感覚的にはやってみなければ分からないところもあります。そこは(3月と)変わらないですね」と本田は現時点の自身の状態について慎重な物言いをしていた。が、そんな発言はビッグマウスと言われた男には決して相応しくない。
2008年北京五輪で惨敗し「俺はこのままでは終わりませんよ。見ててください」とズバリ言い切った、あの頃の飽くなき野心と向上心をもう一度、ピッチ上で示すこと。それがリベンジへの大きな第一歩になるはずだ。
(取材・文:元川悦子)
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