「こういう思いはしたくない。もっともっと努力したい」
そう考えれば、いまは久保の成長速度に合わせて適切な戦いの場を用意できている。今後彼の進化がさらにスピードを上げれば、追いつかなくなってしまう可能性もあるが…。
久保は「自分は世界トップレベルの選手になるのが小さい頃の夢だった」と語る。U-20W杯で同世代、あるいは近い世代の世界トップレベルを目の当たりにして、進むべき道は彼の目にはっきり見えてきているはずだ。
ベネズエラ戦でU-20W杯での戦いを終えた久保は、最後に何かを噛みしめるように力強く未来への決意を語った。
「こういう思いは本当に、これから先何度もあると思うんですけど、本当にこれを最後にしたいと思っている。(U-17W杯は)まだ先の話なんですけど、選ばれたらこういう思いはしたくないので、もっともっと努力したい。努力の一言に尽きます」
努力。それこそが「世界トップレベル」にたどり着くための最も長い道のりであり、最も短い道のりでもある。久保は15歳にしてその現実から目を背けず、真っ向から勝負を挑もうとしている。
力不足で負けるのは、サッカー選手にとって何よりも悔しいはず。久保建英がこの経験をバネにして、彼の言う「努力」の末にどんな選手へと飛躍していくのか、ますます楽しみになるW杯だった。
(取材・文:舩木渉【大田】)
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