この後の3年間がカギ。ここから開く世界との差
ベネズエラは組織的によくトレーニングされたチームで、日本は何度か決定機を作れていたが全体に圧倒できていたわけではない。均衡したゲームをベネズエラが制していて、フェアな結果だろう。1対1のデュエルのところではベネズエラに優位性があり、唯一の失点も1対1の空中戦に負けたことで喫している。
CKが2本続いている。1本目は4番(フェラレーシ)を狙ったもの。2本目は4番をおとりにして8番(エレーラ)に合わせた。4番に少し釣られたために8番への対応が遅れてしまったのだが、競り合いはできているので単純に高さ勝負で負けている。失点場面だけでなく、ベネズエラはセットプレーからチャンスを作っていて、日本は空中戦でやや劣勢だった。
試合を重ねるごとに中山、冨安のCBコンビは強度と安定感を増していった。中山は左利きの利点もあり、攻撃面でもミスが少なく、有望なCBである。ただ、全体的にベネズエラに対してフィジカルで劣勢であり、その差をいかに埋めていくかは今後の課題だ。
U-20のプレーぶりは、日本がどうプレーするかの指針になった。崩し方を示せたのは大きい。ただ、この年代から五輪年代(U-23)までをいかにつなぐかの道筋が見ていないのが現状だ。ここから世界との差が開いてしまっている。こちらは日本サッカー界全体の課題である。
(文:西部謙司)
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