要所で欠けていた勝負強さ。エメリ監督は「200%残留」
第35節のニース戦での敗戦は非常に痛かった。あの黒星で、事実上、モナコから首位を奪回するチャンスは消滅してしまった。白星で終わりたかった最終節のカーン戦も、アディショナルタイムに同点に追いつかれてドローに終わった。
冒頭のフランス杯決勝戦も、相手の渾身のプレーがあったとはいえ、戦力に大差があるアンジェに対し、あわや延長戦、という時間帯まで、得点を決めることはできなかった。
総合して今季のPSGは、要所要所で勝負強さに欠けていた。その中でカップ戦での2冠(スーパーカップを入れれば3冠)という成績は、十分な結果だったといえるのかもしれない。
試合の後、ナセル・アル・ケライフィ会長は「エメリ監督は来季も残る。これは200%だ!」と明言した。
これまでも「残る」とは匂わせていたが、数字をあげてまで断言したことはなかったから、リーグタイトルを逃した後は『フランス杯優勝』が残留の条件だったのではないかと疑いたくなるところだが、ともあれ、PSGは早々と新スポーツダイレクターにアンテロ・エンリケを招聘し、夏のメルカートに動いている。
長らく仕えたFCポルトでもデコやフッキ、ハメス・ロドリゲス、ルーチョ・ゴンザレス、ファルカオら、数々の移籍を成功させてきたエンリケ氏は世界中にコンタクトをもち、とくに南米のマーケットには強力なパイプを持っていると言われている。
ヴェッラッティを手放してでもネイマールを獲る、ドルトムントのFWオーバメヤンを狙っている、など様々な噂が飛び交っているが、彼の主導のもと、今夏PSGがどのような補強をおこなうかに乞うご期待だ。
ディフェンディング・チャンピオンのモナコ、新オーナーのもと本格的な補強に乗り出すマルセイユ、安定してハイスタンダードのチームを送り出す、今季ELベスト4のリヨンなど、PSG以外の注目度も高まっているリーグ1。
8季ぶりにリーグ1に復帰するストラスブール、クラブ史上初のトップリーグ参戦となるアミアン、そして、今季からスタートしたプレーオフを経て勝ち上がったトロワを加えた新シーズンのカレンダーは、6月15日に発表される。
(文:小川由紀子【フランス】)
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