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日本代表 7年前

【U20】団結するベネズエラ。チームは“家族”…悪政とインフレで疲弊する国民の希望に

text by 舩木渉 photo by Getty Images

チームは「家族」。ピッチ内外で築かれた固い絆

 ベネズエラは比較的メンバーを固定しながら戦っており、控えGKのジョエル・グラテロルとラファエル・サンチェスを除いても、3試合を終えて1分もピッチに立っていない選手が3人いる。日本はすでに帯同しているフィールドプレーヤー全員が1分間以上出場している。

 そう考えると「選手自身が代表チームに重要な一員であると感じられる」のは難しいのではないかと考えてしまうが、ドゥダメル監督の考えは違った。

「彼らは毎日を楽しむことができていた。ホテルでも、ピッチ内でもすべてのゴール、すべての勝利を毎回家族のように喜べていた。チームはピッチ外でもすばらしく、互いに励まし合い、勝利すればそれをみんなで喜んだ」

 ベンチに座っているメンバーも、控えとしてチームにどう貢献できるか理解し、喜びを全員で共有する。ドゥダメル監督の言う「家族」という表現や、似たような言葉は選手たちからも聞かれた。

 得点力が爆発しているコルドバは「僕らは2年前からお互いを知っている。そしてピッチ内外において家族のような関係でもある。それこそが団結の理由だね。どこにいても家族でいることだ。これからもずっと家族のように一体となってW杯を戦っていきたい」と述べる。

 ペニャランダも「僕らは全員のことを信じているからこそグループのトップにいる。信頼関係が出来上がっていて、チームのために力を尽くそうと思える。強く団結したチームで、全員が友だちで、みんなのことを小さいときから知っている。毎日の練習でどんどんやりやすくなっているし、このチームでプレーできることが幸せだ」と、笑顔で語った。

 マンチェスター・シティからのレンタルでMLSのニューヨーク・シティFCに所属しているヤンヘル・エレーラは、A代表でも出場歴を持ち、U-20代表では不動のキャプテンを務める。中盤からチームをまとめ、攻守にハードワークできるベネズエラの心臓である。

 そんな中心選手が「このチームには個性豊かな選手たちがいる。そして彼らは皆、それぞれがチームの力になれることを理解している。だからこそ全員が他の選手のためにも力を尽くそうとするし、チームとして最高の形になるんだ」と言えば、彼らの団結力が本物であることは理解していただけるはずだ。

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