全員一丸で16強進出へ。離脱のエースに朗報届けられるか
イタリアは最前線に決定力の高い選手が揃っているだけに、今回こそ日本守備陣はしっかり耐えて早い時間帯の失点を回避しなければならない。3度目のチャレンジで「堅守の日本」を取り戻すべく、中山・冨安中心にしっかりとした組織を構築してほしい。
そのうえで、攻めに関しては数少ないチャンスを虎視眈々と狙う必要がある。田川と岩崎の組み合わせはともに裏に抜け出すのを得意とするタイプ。イタリアの強固なブロックが簡単に崩れるとは思えないが、スキをどれだけ突けるかが勝負になる。
「相手も背後の動きにんはたぶん弱いと思うんで、そこは狙っていきたい」と田川も語気を強めていた。攻守のバランスを取りながら、相手を脅威に陥れる強気の姿勢は要所要所で出せれば何かが起きるかもしれない。伏兵の活躍が期待されるところだ。そして、途中出場が予想される久保も、ボールキープのうまさ、巧みなリズムの変化でイタリアを攪乱することが重要と言える。
彼らFW陣は無念の離脱を強いられた小川の分もピッチ上で躍動しなければならない。「小川選手、日本で離脱してしまった森島(司)選手のためにも、チーム一丸となって決勝トーナメントの切符をつかめたらと思います」と久保も強い決意を口にしたが、そういう気持ちを全員がピッチ上で前面に押し出すべきだ。
宿舎で同室の小川と長時間語り合ってチームへの強い思いを受け取った堂安を筆頭に、全員がエースFWに16強進出という朗報を届けるべく、かつてないほどの団結力と一体感で負けない戦いを制してほしいものだ。
(取材・文:元川悦子【天安】)
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