イタリア戦では前半から流れに乗ることができるか
小川の代役として投入された久保建英は、日本にとって最大のチャンスのひとつを逃すことになった。55分、ゴール前のリバウンドを押し込もうとした至近距離からのヘディングがクロスバーの上を越えた場面だ。FC東京に所属する15歳のワンダーキッドと岩崎とのコンビネーションはやや合わない場面も見られた。
「離れすぎている時もあったと感じますし、タイミングも完全には合っていなかったかもしれません」と岩崎は認めている。「役割をはっきりさせようという話はしました。僕が背後に抜けて、久保君がスペースで受けるという話です」
実際に、試合が進むにつれて期待を感じさせるような形も生み出せていた。南アフリカ戦で後半に修正できたのと同じように、ウルグアイ戦でも試合のペースを掴んだあとは、はるかに強い自信と前向きな姿勢が感じられるようになった。
試合の流れに適応できる力を見せられたことは、試合のポジティブな一面だったと岩崎は考えている。イタリアとの決戦となる土曜日のグループ最終節ではその力を活かしつつ、前線での決定力を高めたいところだ。
「やっぱりこのチームには、前半の相手の出方を見て修正できる能力があると思いますので。慣れというのもありますし、自分たちで考えてプレーした結果だと思います」と岩崎は、チームの見せる二面性について説明していた。
「イタリアも技術の高いチームですし、フィジカルもあるので。今日みたいな戦いにはなると思います。フィニッシュの面でしっかり、少ないチャンスを決められるようにやっていきたいと思います」
日本と同じくベスト16進出に向けて勝ち点を必要としているイタリアに対し、後半まで待つことなく試合の流れに乗ることも重要となる。準備の時間はわずか2日間だけだったが、次のラウンドへ勝ち進みたいのであれば、教訓を活かして修正することが必要になってくる。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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