経験では日本
一方ユーベの下部組織出身であるファビッリは、191cmの巨漢を活かしてゴール前で圧力を掛ける。南アフリカ戦では68分、ロングスローに反応するや相手の寄せを苦にせず、楽々と制空権を取ってヘッドを押し込んだ。
比較的小柄で周りを動かすのが上手いジュセッペ・パニコとは、U-19欧州選手権でもコンビを組んでおり呼吸は合っている。展開が消された時でも、ファビッリを狙ってロングボールを当て、それをパニコに拾わせるのも一つのパターンだ。
27日に対戦する日本が警戒すべきは、やはりこの2人ということになるだろう。オルソリーニにはしっかり張り付いて動きを止めたい。一方、中盤を支配してもファビッリへのロングボール一本で崩される恐れもある。ロングボールを出させない組織守備と、エリア内で慌てない対処が必要となる。
もちろん、ボールを刈り取りに来るイタリアの圧力をかわしてボールキープができるかは、日本にとっては生命線となる。中盤が当たりの激しさに負けず、攻め切れるかどうかが勝負を分けるだろう。ただ日本に持たせてカウンターを狙うという想定はしてくるはずなので、そのリスクをうまくマネジメントできるかが肝心だ。
トップカテゴリーの経験値が豊富な選手の数は、セリエB組中心のイタリアより多いはずだ。これで当たり負けするならJリーグはぬるい、という話にもなってしまうので、J1でのプレー経験を持っている選手たちは恐れずに自分の技量をぶつけてもらいたい。
(取材・文:神尾光臣)
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