U-20W杯を育成と捉えるイタリア
昨年に行われたU-19欧州選手権で、準優勝をもぎ取ったイタリア。8年ぶりとなる今回のU-20W杯に臨むチームは、それをベースに構成される運びになっていた。
その後、柱となっていた選手は所属クラブで大人たちを押しのけて活躍した。マヌエル・ロカテッリは一度ミランでレジスタのポジションを確保し、GKのアレックス・メレトはウディネーゼからレンタルで回されたSPALでセリエA昇格に貢献した。さらにU-19の欧州選手権には招集されていなかったが、19歳のフェデリコ・キエーザがフィオレンティーナでブレイク。26戦出場と頑張っていた。
もっとも今回のU-20W杯で、上に挙げた選手たちは全て招集されていない。メレトは直前合宿の招集を受けてはいたものの、結局外れた。彼らは、6月に行われるU-21欧州選手権に呼ばれるものと考えられている。
さらにはシーズン中で、FIFAカレンダーに国際試合のない期間での開催ということで、招集はクラブの意思にも当然左右される。左サイドバックでレギュラーだったフェデリコ・ディマルコは、エンポリの残留がもつれたためにシーズン終了後の合流となった。一度メンバーには招集されたインテルの18歳アンドレア・ピナモンティは、チームがヨーロッパリーグ出場権を懸けて戦っていたため招集は拒否された。
セリエAでレギュラーを取っていた選手の中で、韓国に連れて行けたのは残留を余裕で決めていたカリアリのニコロ・バレッラくらい。ユベントスのロランド・マンドラゴラに関しては、長期故障の後で試合勘を取り戻させる意味から、クラブが許可した。
重要な選手、といったら他に失礼だが、すでにセリエAで名声を築いた若手については上の華々しい機会を用意している。イタリアのサッカー界は、U-20W杯をタイトルの獲得の場というよりあくまで育成の大会だと考えているということである。当然のこと、ニコラス・スキヤパカッセやロドリゴ・ベンタンクールらを呼んで勝ちに来ているウルグアイには0-1で敗れた。