先発濃厚の田川。コンビ組む岩崎への好影響も
「状況判断に優れている」と久保を評価する内山篤監督としては彼をスタートから使うより、流れを変えたい時間帯に投入する方がプランを立てやすいかもしれない。未知数な部分は多いが、本来なら小川に近いのは田川亨介で、前日練習の様子からも岩崎と田川の2トップでスタートすると予想される。181cmの長身で「飛び級」ながらパワーを兼ね備えた田川は1つ良いきっかけを掴むとラッキーボーイ的な存在になれるポテンシャルはある。
とにかくゴール前で仕事をする姿勢が強い選手で、小川ほどポストプレーで周りを使うことは期待できないが、彼が前線の中央に張ることで岩崎が本来の衛星的な動きをしやすい。
またサイドからのクロスも選択肢になるため、タイトな守備を誇るイタリアに対しても、サイドを起点としたオープンな攻撃が可能になる。
追加招集の高木彰人はU-20代用でサイドに起用されることが多いが、本来はFWの選手で、2トップでも能力を発揮できる。鋭いドリブルと正確なシュートが武器で、親善試合のホンジュラス戦後に行われた30分のトレーニングマッチで決めたゴールのように、ライン裏に飛び出してGKとの1対1を決めることもできるアタッカーだ。
高木と岩崎のコンビはややタイプが重なる部分もあるが、1人が裏を狙えばもう1人は引いてクサビを受けるなど、2人の機動力を効果的に生かせばイタリアのDFラインに混乱を引き起こせる可能性はある。ただ、うまく噛み合ないとトップ無しのような状態になってしまうリスクもあるため、相手が疲労してスペースができてきた時のオプションと考えるのが順当だろう。
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