最大のサプライズ。ブルガリアからの秘密兵器
PFCペロエのMF加藤恒平【写真:Getty Images】
MF:加藤恒平(PFCペロエ/ブルガリア)
「皆さんあまり知らないであろう加藤という選手を呼ぶ。ほぼ1年かけて追跡している。ブルガリアのベロエというところでやった試合を4試合ほど現地で見ている。ビデオでも何試合か見ている。もう一度言うが、4回ほど現地に行って、ダイレクトに見ている」
ハリルホジッチ監督がこう語った通り大きなサプライズであり、“5人の新戦力”を招集した今回の選考でもエポックメーキングとも言うべきものだ。実際に多くのスポーツ番組で驚きを持って報じられており、彼のここまでのキャリアやエピソードを今回はじめて知ったファンは多いだろう。
「よい選手、資格のある選手がいれば誰だって呼べるということだ」と強調する指揮官としてはある意味で全ての選手に対するメッセージも加藤の選出に込められているかもしれないが、もちろん戦力としての期待もある。
中盤でボールを奪う能力に関してはイラク戦で特に求められるもので、その役割を担う今野泰幸が怪我から回復途上にあるため、主に守備的なタスクを担えるボランチを多めに選んだ事情もある。
ハリルホジッチ監督は加藤の非凡なパスセンスにも言及しており、前目のポジションでのプレーにも可能性を見出している様だ。おそらくトップ下というよりは4?3?3を採用した場合のインサイドハーフで、ボールを奪ったところからの展開、あるいは前にボールを運んでチャンスの起点になるプレーなどがメインになる。
ただ、今回は親善試合のシリア戦があり、欧州組の合宿からスタートするため多くの練習時間を取れる。そこで彼の資質を見極め、今後の招集や起用法を見極める機会になりそうだ。
【次ページ】バルサから2ゴール。リーガで奮闘するアタッカー