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若き才能を封じたマンUの完璧な罠。2つの悲願もたらしたモウリーニョとポグバの執念

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ポグバが放った全ての批判を黙らせる一発

先制ゴールを決めたポール・ポグバ
先制ゴールを決めたポール・ポグバ【写真:Getty Images】

 そして、何よりもこのゲームプランを成功へと導いたのが、ポール・ポグバによる18分の先制ゴールだった。

 今季からユナイテッドに復帰したポグバは、シーズン当初から強靭なフィジカルによるキープ力と驚異的に広いパスレンジで違いを生み出していたものの、ゴールやアシストといった目に見える形での結果を残せなかったことから、批判の声が高まっていた。

 シーズンが進むにつれて批判の声は少なくなったが、100億円を超える史上最高額の移籍金が費やされていることから、公式戦5ゴール13アシストという成績はやや物足りない印象もあった。

 それでも、負ければ指揮官、チーム、そして自らも大きな批判に晒されるであろうこの一戦で、前半18分にペナルティアークからミドルシュートを突き刺した。

 早い時間でのこのゴールがあったからこそ、ユナイテッドは落ち着いてアヤックスの若者たちをいなし続けることが可能となった。

 この欧州タイトルと、来季のCL出場権獲得という最低ノルマの達成は、待ち望まれて就任したモウリーニョと史上最高額が費やされたポグバの執念によってもたらされたものとなった。

 ただ一つ、この試合を観ていて残念に思うことがある。現代のサッカー界では、「このメンバーでのアヤックス」というチームが最大限に成長する姿を見ることができないことだ。このELでの躍進で才能ある若者たちには多くのビッグクラブが札束を用意し始めているだろう。

(文:海老沢純一)

【了】

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